2017年11月3日金曜日

「リニア新幹線が不可能な7つの理由 樫田秀樹)岩波ブックレットNo.975 (2017年10月5日第一刷発行)

夢の超特急が、夢のまま終わる可能性
 ー ムリのありすぎる超巨大事業の行く末にたちはだかる7つの壁 ー

東京と関西を一時間で結ぶ超特急、リニア新幹線。さまざまな宣伝文句とともに、事業費10兆円を超す巨大事業が動き出した。だが、容易に解決のつかない多くの問題が、工事の前に横たわっている。この巨大事業は、とてつもない負の遺産となって後世に遺されるかもしれない。リニア問題を追及してきたジャーナリストが、現場に足を運んでつぶさに検証し、7つの課題として整理する。岩波書店(岩波ブックレット)
 目次だけを紹介しよう

60 53 43 36 31 25 18 10 5 2
岩波ブックレット No. 975
 はじめに ...............................................................
  リニア計画とは? .............................................
...  難問1 膨大な残土 ..........................................
   難問2 水涸れ ..................................................
 . 難問3 住民立ち退き ....................................... 
 難問4 乗客の安全確保....................................
   難問5 ウラン鉱床 ..........................................
 難問6 ずさんなアセスと、住民の反対運動 ......
 難問7 難工事と採算性....................................  
 おわりに(f)(g)住民・市民の声に耳を傾けられるか .........
※ 表紙写真(著者撮影)=実験線を走るリニア新幹線(表紙)/長大なトンネル 掘削が予定される南アルプス(裏表紙)

2017年10月27日金曜日

愛知県知事に対するリニア環境影響評価書準備書に関する回答文(春日井市長平成26年2月6日付)

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説明を追加リニア環境影響評価書について、愛知県知事からの春日井市長意見照会に対する春日井市長回答(平成26年2月6日
page1image440 I 全般的事項
1
本事業は、大深度地下トンネルを超電導磁気浮上方式で列車が走行する住民の誰も
が未知の事業であり、環境への影響を心配する􏰂が多く寄せられている。これらの不 安を払拭するための情報提供􏰀地域住民との合意形成を十分に図るとともに、事業を 進めるにあたっては、地域住民に対し十分な説􏰁を行い、住民の疑問、意見には誠意 をもって対応すること。また、何らかの影響があった場合の事業者の補償を含めた対 応を􏰁らかにすること。
2 今回の環境影響評価準備書は、文献調査による予測値が多く用いられ、評価と対策 の検討が行われている。予測値に基づく評価には、実測値による厳格な検証が不可欠 であり、山梨県にある実験線において可能な限り大深度地下トンネルを想定した測定 を行い、評価書の作成に当たっては、評価の根拠となる数値等を具体的に掲載するな ど、分かり􏰀すい内容と説􏰁になるよう努めること。
II 個別事項 1 事業計画
各施設の概要、規模及び工事施工ヤードの土地利用方法、工事方法の想定が示され ているものの、具体的な内容が示されていない。今後の事業、施工計画等の具体化に 合わせ、早期にその内容を公表するとともに、事業説􏰁会、工事説􏰁会等において地 域住民の理解を得るよう努めること。
鉄道施設以外の仮設道路、現場事務所及び資材置き場等の関連工事施工計画􏰀環境 影響評価の対象となっていない送電施設などの付帯施設の事業計画についても、環境 影響評価法に準じた環境影響評価、手続きを実施するよう努めるとともに、その内容 について地域住民に対し十分な説􏰁を行うこと。
非常口及び換気施設並びに保守基地建設における開発行為及び建築行為について、 春日井市開発行為等に関する指導要綱を始めとする各関係法令等に該当する場合は、 必要な手続きを行うこと。
大深度地下のトンネルの存在が、宅地建物取引業法第 35 条で定められる重要事項説 􏰁書の記載事項に当たるかの確認結果を公表すること。また、記載事項に当たる場合 は、記載しなければならない基準􏰀表示方法についても示すこと。なお、国への確認 については、「大深度地下トンネルの存在が」という視点ではなく、「環境􏰀健康に影 響を与える恐れのある大深度地下トンネルの存在が」という視点で行うこと。
2 事業計画(安全性)
大雨等自然災害によりトンネル部が浸水した場合の具体的対策を講ずること。
火災􏰀事故等が発生した場合の消防隊、救急隊及び救助隊の進入経路及び消防用設 備等、活動の万全を考慮した施設􏰀設備を計画すること。また、トンネル内の通信手
別紙
段を確保するため、無線通信補助設備の設置を計画すること。 大規模災害の発生時には、関係機関及び周辺自治体への情報の公開、提供及び共有
化を図り、通常時から連絡体制(ホットライン)の整備をすること。
3 環境保全一般
鉄道施設以外の関連工事についても、鉄道施設と同様の環境保全措置を実施するこ と。
環境影響評価法に基づく事後調査については、希少猛禽類の生息状況調査及び建設 発生土置き場においての動物、植物、生態系調査のみとされているが、工事施工中及 び営業運転開始後における騒音、振動など周辺の生活環境に負荷を与える項目につい て、定期的な測定と結果の公表を行い、地域住民に対する情報提供に努めること。
工事施工中及び営業運転開始後において、環境への影響に対する新たな事実が確認 された場合には、周辺の生活環境を阻害することのないよう対処すること。
4 大気質
建設作業並びに資材及び機械の運搬に用いる車両の運行による二酸化窒素及び浮 遊粒子状物質、粉じん等大気質の予測において、いずれも環境基準等を下回っている が、これら車両の通行が、地域住民の生活に与える影響(大気質、騒音、振動)は大 きいと想定されることから、春日井市内の各非常口付近において、1日最大 800 台と する大型車両の通行台数を削減するよう計画を修正すること。
また、非常口等から幹線道路までの生活道路周辺にあっては、特にその影響は現状 と比して大きいと想定されることから、車両走行に伴う粉じんの飛散、排出ガスによ る大気汚染、騒音及び振動の発生により地域住民の生活環境を阻害することのないよ う、建設発生土􏰀資材等の搬出方法、ルートの選定を行うこと。
5 騒音、振動
工事施工期間は 10 年超の長期に渡るもので、一般的な建設作業とは異なり周辺の 生活環境に与える影響は大きいと想定されることから、工事施工中にあっては、でき る限りの防音・防振対策を講じ、敷地境界における騒音・振動レベルが騒音規制法及 び振動規制法に基づく「特定工場等に係る規制基準」を下回るよう努めるとともに、 地域住民の居住地において、環境基本法に基づく騒音に係る環境基準を超過すること のないよう十分配慮すること。
営業運転開始に伴う騒音・振動の予測及び評価に関して、予測位置を換気口からの 距離 20m、10mの地点を選定、評価しているが、騒音規制法及び振動規制法に基づく 「特定工場等に係る規制基準」は、当該施設の敷地境界において適用されることから、 敷地境界において、この規制基準を遵守するとともに、地域住民の居住地において環 境基本法に基づく騒音に係る環境基準を超過することのないよう留意すること。また、 騒音規制基準が適用される高さについては、発生源の騒音が問題となる住居の高さな
ど受音点の位置等により判断されることに留意すること。
6 微気圧波、低周波音
鉄道施設(換気施設)の営業運転開始後は、換気施設に消音設備、多孔板を設置す ることで発生する微気圧波、低周波音は低減できると評価しているが、1時間に5本 の列車が走行することから、非常口周辺に居住する住民への影響が懸念される。実験 線において同等の換気施設を設置し、測定結果を公表すること。
7 水質
工事に伴う湧水のみならず、降雨時においても濁水􏰀アルカリ排水、酸性化排水、 有害物質を含む異常水が流出することのないよう留意すること。また、工事施工中及 び営業運転開始後の敷地から排出される排出水について、春日井市生活環境の保全に 関する条例の規定に基づく指導基準等を遵守するとともに、定期的な排出水の水質測 定を実施すること。なお、公共下水道区域内及び都市下水路排水区域内において工事 排水を排出する場合は、分流式である公共下水道雨水管及び都市下水路に降雨時を避 けて排出すること。
鉄道施設において塗料􏰀作業油等の危険物を貯蔵、取扱いを行う場合は、危険物の 種類及び量により外部に漏れ出ない措置を講ずること。
8 地下水、水資源
春日井市水道事業が取水する地下水源が廻間町地内に5か所あり、工事により水源 となる地下水の水位、水量、水質等に多大なる影響を及ぼすことが懸念されるため、 工事開始前と工事開始以降の継続的な環境影響調査を実施するとともに、工事施工予 定期間、実施状況等について、逐次、水道事業者へ書面で連絡すること。また、影響 があった場合の補償等について、水道事業者と協議し対応を􏰁確にすること。
井戸水を利用している施設􏰀事業所等があるため、路線周辺にある井戸を事前に調 査確認するとともに、工事􏰀鉄道施設の存在による地下水の水位低下及び水質悪化を 継続的に監視及び調査すること。
9 地盤沈下
「春日井の近代史話」(昭和 59 年 3 月発行)によると、市東部の亜炭採掘跡におい て、竪坑は深さ 50m、亜炭鉱の深さは平均 36mから 54mと記載されている。トンネ ル工事実施前の調査及び空洞充填の計画策定にあっては、春日井市及び住民等と十分 に調整しながら実施するとともに、結果を速􏰀かに公表すること。また、営業運転開 始後も地下水位の変動などを含め、住宅􏰀店舗、施設等に影響がでないよう継続的に 地盤沈下の監視及び調査を実施し、その結果を受けた必要な措置を講ずるなど、市民 等が安全・安心に生活ができるように配慮するとともに、影響があった場合の補償等 について事業者の対応を􏰁確にすること。
10 土壌汚染
建設発生土の再利用について、建設汚泥􏰀有害物質を含む残土、酸性水􏰀アルカリ 水を流出させるおそれがある残土が再利用されることがないよう、発生源者として発 生土の性状を十分に把握し、再利用者に情報提供すること。
過去に、岐阜県内のトンネル工事掘削土処理場から黄鉄鉱を含む美濃帯を掘削した 土砂を起因として、硫酸等の酸性水􏰀溶出した重金属が流出した事象が発生している ため、市東部地区の美濃帯地層の掘削土砂により、同様な事態が生ずることがないよ う十分に調査、対策を行うこと。
11 電波障害
建築物及び工作物に起因するテレビ受信障害が発生した場合は、適切に対応するこ と。
12 文化財
試掘・確認調査及び発掘調査の実施については工事着手時期との間に十分な調整期 間を設け、記録保存のための発掘調査はあくまでも次善策であり、新規発見を含む埋 蔵文化財については、現状保存を前提として取扱うこと。
13 動物
現地調査で確認されたオオタカについては、準絶滅危惧に選定されている。今後の 調査に当たっては、環境省が「オオタカなどの生息状況􏰀保護のための調査と保全措 置等の総合的な保護指針」としてとりまとめている「猛禽類保護の進め方(改訂版)」 に基づき、オオタカの営巣場所􏰀繁殖状況を調査しつつ、必要に応じて営巣中心域􏰀 高利用域の保全措置を検討すること。
14 植物
予定ルートの岐阜県と愛知県の県境周辺には湧水湿地が存在し、その自然環境に適 応したシデコブシ等が生育している。このため、工事による地下水の質􏰀量への影響 を避け、湧水の現状􏰀地下水の流れ等を十分把握するとともに、工事による影響を予 測し、できる限り湿地環境への影響を少なくする方法を検討すること。
15 生態系
愛知高原国定公園周辺では、ギフチョウ、ヒメタイコウチ等の希少な野生動植物が 多く生息・生育しているため、鉄道施設の設置については、周辺の希少な野生動植物 が生息・生育している環境に配慮し、できる限り自然環境への影響が少なくなるよう 検討すること。
16 景観
地域ごとに目指すべき景観が春日井市都市景観基本計画において定められているた め、春日井市都市景観条例及び春日井市都市景観基本計画に沿って構造物を設置する こと。

17 廃棄物等
建設発生土の活用方法等が示されていないことから、具体的な活用計画􏰀搬出ルー トを􏰁らかにし、環境影響調査予測評価及び環境保全措置を具体的に示すこと。また、 搬出ルートは交通集中による路面劣化等が懸念されることから、道路改修等必要な箇 所については道路管理者と十分な協議を行うこと。
18 温室効果ガス
列車走行に伴う排出量の予測について、最終的な開業区間のみではなく、東京都~ 名古屋市間における現行の新幹線との比較を行うこと。また、東京都~大阪市間にお ける列車走行に伴う排出量の比較において、試算の算出根拠を示すこと。
建設機械及び運搬車両の使用において、アイドリング・ストップを励行するよう努 めること。
営業運転開始後における環境保全措置として、非常口における設備等への太陽光発 電システムの設置など、再生可能エネルギーの有効利用を検討すること。
19 その他
ア 異常時避難

高齢者􏰀障がい者が短時間で安全に避難することは難しいため、避難支援が必要 な乗客を想定して、様々な避難方法􏰀施設、設備の対応を計画すること。避難誘導 に関する乗務員の訓練及び教育を徹底すること。また、周辺自治体等と合同で避難 訓練等を実施すること。
イ 磁界
列車走行に伴う電磁波による健康への影響を懸念する意見があるため、磁界を環 境影響評価項目に挙げ、ルート上地表部􏰀非常口周辺、走行中の車内における調査、 予測及び評価を実施すること。また、非常口周辺等沿線住民への長期的な影響􏰀乗 客への影響を検証するため、第三者機関による安全性の再確認を行い、その結果を 公表すること。
ウ 交通安全
非常口及び保守基地が設置される場所は、周辺に通学路があることから、工事施 工中は児童生徒の登下校時の交通安全を確保できるよう必要な対策を講じること。 特に、地域生活に密着する幅員狭小の道路の通行については、地域住民の交通安全 を確保するためにも、工事関係車両の通行に対して地元と十分な協議を行うととも に、住民からの意見に対しても、丁寧な対応に努めること。 

2017年10月21日土曜日

ストップリニア!第6回口頭弁論 「静岡から南アルプスの生き物たちに代わって意見陳述(2017年9月9日)

リニア・市民ネット ブログ Twitter

2017-09-09 静岡から南アルプスの生き物たちに代わって意見陳述「ストップリニア

ストップリニア!訴訟第6回口頭弁論        9.8.2017

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      静岡から南アルプスの生き物たちに代わって

林さんリニア新幹線を考える静岡県ネットワーク共同代表)

残土置き場の危険性

南アルプスエコパーク内の、リニア本線、導水路、工事用トンネルなどによる発生土370万トンの置き場として、JR東海が示す燕沢(つばくろさわ)周辺他8箇所。この付近に3回調査に行き、その実感から静岡県の財産を壊すリニア計画の危険性について話します。

高さ65メートル、長さ数百メートルに及ぶ発生土置き場の案が示された燕沢付近は、稜線近くまでガラガラと崩れていて、大井川まで礫が溢れています。地質学者はこの辺りは泥と礫の層になっており、地層の傾斜が地形の傾斜に対して交差している「受け盤」ではないか、だとすると逆側の地層の傾斜が地形の傾斜に対して同一方向の「流れ盤」で、これが危険だと指摘されました。実際に防災科学研究所の地滑り分布図においても、大規模地滑り、崩壊地と表示されています。これまで何度となく地滑りを起こしたことは、大井川河岸の若い植生を見ればわかります。(写真・図)

国土地理院の空中写真・その辺りはいく筋もの流路らしきものが見て取れ、地滑り地形の「安全弁」=流れを変える大井川の「遊びの部分」であることがわかります。もしここに65メートルにもなる発生土置場が設置されたらどうなるか、大変な危険を覚えます。

生物圏保存地域

ここはエコパーク移行地域、生物圏保存地域です。その名の通り「生態系の保存と持続可能な利活用の調和」「生物多様性の保護」を目的としています。燕沢付近の大井川流域は「ドロノキ」の自生地で本州の分布南限とされる「オオイチモンジ」(蝶)は環境省レッドリスト絶滅危惧2類、静岡県レッドリストでは絶滅危惧1A類と、最も保全が急がれる種です。そのオオイチモンジの幼虫は、このドロノキを食料としています。発生土置き場の設置で流失の危険性が増します。

また樹齢100年を超えるカラマツ林も破壊されることになります。
静岡市エコパークの継続に危機感を持っており、リニア新幹線建設は、静岡市民の財産である自然と安全を壊すもので、到底認められません。


服部さん焼津市在住、登山家
登山歴46年、私たち岳人は、リニア・トンネル工事による南アルプス南部の自然破壊に対し深く憂慮しています。本日私は登山者の代表として、また物言えぬすべての命に代わって、裁判官各位に訴えます。

トンネル掘削による地下水脈分断

静岡県の北端でリニア路線が横切る地域を「南アルプス南部」と呼びます。頂点は3000メートル峰で、そこから駿河湾に流下している130キロメートルの大井川。その最上部地下をリニアが貫通します。静岡県におけるリニア問題は、ここ大井川最上流部に集中しています。

この拡大図を見ると、まるで毛細血管のように無数の枝沢=谷が本流に注ぎます。この無数の支流が減水、ないし枯れる恐れがあるのです。資料によれば「二軒小屋」付近が毎秒2トン強の減水予測で、ここは登山基地です。南アルプスの真っ只中です。毎秒2トンは冬の渇水時は本流が干上がることになり看過できません。

保全策として、JR東海は「導水路トンネル」を計画トンネル内にあふれ出した水を集めて11.4キロメートルほど下流の椹島(さわらじま)で本流に放水、「水を戻す」という案です。

しかしこれでは根本解決になりません。水が戻るのは椹島より下流のみ、上流部は一滴の水も戻らないのです。すなわち「人間の都合」しか考えていない保全策です。
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「隣に似たような谷があるから大丈夫」?!

環境アセス書でJR東海は「周辺に同質の環境が広く分布するから影響は小さい」と記述していますが、そんな単純な話ではありません。その谷に棲む水生生物、魚、植物はどうやって移動するのでしょう。また簡単に「重要種の移植」を持ち出すのも水を戻さず見捨てるという宣言であり、この言い訳は免罪符にすぎません。

そもそも重要種とそうでない命をどうやって決めるのか?厳しい自然条件の中で南アルプスに生きる命への敬意のみじんもなく、心の震えが止まりません。生き物の生息場所には皆理由があり、安易に「移植」などすべきではありません。この7月に奥西河内(おくにしごうち)の水源調査に行って、2.350メートル地点の谷筋でツキノワグマの糞を発見しました。山は彼らのものです。彼らが生きる場所です。この谷は彼らが命をつなぐ場所なのです。この谷水を減らしては、枯らしては決してなりません。

「上流部の谷に水を戻せないなら、工事は中止してください」これが、南アルプスに生きる生き物と私たち登山者の思いです。ずさん極まりない、甘すぎるアセスメントを追認した国土交通省の、リニア工事計画認可の取り消しを求めます。



西ケ谷弁護士原告訴訟代理人
大井川の清流をこよなく愛する静岡県民として意見します。

箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川

江戸時代から愛されてきた、馬でも容易に越せぬほど水量の豊かな大井川です。川越し人足の文化、宿場町などができて、水量の豊富な大井川によって形成されてきた歴史があります。明治時代には水力発電も行われて現在に至ります。また、流域の工業発展、世界一長い木造の橋としてギネス認定された蓬莱橋SL大井川鉄道、周辺観光産業など、大井川の重要な役割です。

最重要なのが、大井川流域の住民約63万人が、生活用水として、農業用水として、直接的に利用していることです。水量の減少は暮らしに大きく影響します。

リニア計画では静岡県としては北端部の山間にトンネル約11キロの掘削が予定されていますが、全計画からすればわずかな区間ですが、しかし掘削により発生する大量の土の置き場、作業員の宿舎、その環境への影響は十分検討されないまま本件認可処分が下されました。

毎秒2トンの減水は約63万人が上水道を利用する大井川広域水道事業団の水利権量と同じ量です。今夏52日間もの長期にわたり、8市1町で生活用水5%、工業用水10%、農業水10%の取水制限がありました。雨が少なくダムの貯水量が平年の70%まで低下したことが原因です。本件工事が水量減少に具体的な対策のないまま認可されたことは環境影響評価法に違反することは明らかです。

導水路トンネル環境アセスなし?

可処分の後に、JR東海は導水路トンネルを新たに作って減水した水を本流へ戻すとしましたが、全ての量の回復はできないと認めています。しかも、この導水路設置計画は、新たに支流の沢枯れが生じる可能性もあり、周辺環境へのさらなる悪影響が懸念されるのです。しかし認可処分後の立案であることから環境影響は考慮されません。環境影響評価を経ないでこのような大規模な追加工事が容認されてしまうのであれば、環境影響評価法に基づく規制は全く無意味なものとなってしまいます。

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この地域はユネスコエコパーク指定を受けた南アルプスに属しており、ヤマトイワナ等、極めて多くの希少生物の生息が確認されています。JR東海は「影響が出たら移植」など、事後的対応を予定するだけで、十分な配慮を行なっていません。

10年にわたる長期に最大7000人の作業員の宿舎

その生活排水など、大井川流域環境にとってどのような影響があるのか、宿舎についての環境影響評価もありません。このように重大な問題を多発させる無理な計画と言わざるを得ません。

先日大井川支流の調査に行って、清流を悠々と泳ぐイワナの群れを目撃しました。この光景を見て、この素晴らしい清流をどうしても守り、次世代に引き継がなければならない、という思いを改めて強く持ちました。(動画)

裁判官の皆様、国やJR東海の関係者に、一度大井川上流域に足をお運びいただきたい、大井川の壮大な自然を体感していただきたいと思います。

都市と都市との間を迅速に結ぶ、人間中心主義利便性と引き換えに多くのものを失いかねないこのリニア計画の認可処分は、速やかに取り消されるべきです。

参照資料;冒頭の林さんのお話の地質学者の先生の指摘「受け盤・流れ盤」について、参照してください。
しんぶん赤旗(2017年10月21日付)記事から
説明を追加

2017年10月16日月曜日

ストップリニアのうた

「ストップ・リニアのうた」がユーチューブにアップされています。2017年愛知のうたごえ合唱発表会での演奏です。楽譜と歌詞を紹介します。
https://youtu.be/CNGVQyTnjU4


ストップリニア」 
 作詞・作曲 舟橋幹雄 編曲 名鉄わだち合唱団 1.※皆さん聞いてくださいな    それは秘密の新幹線 リニアのことを   ※夢見ている間に進んでる    知らされないまま進んでる   トンネルの土はどこ行くの   ダンプの騒音排気ガス   地下水 水枯れ心配だ   だけどメディアは知らん顔   忖度ばかりで知らん顔 2.※くりかえし   ※くりかえし   地下で地震が起きたなら   地下で電気が止まったら   トンネルばかりで暗闇だ   後は野となれ山となれ   いのちの保証は知りません 3.※くりかえし   ※くりかえし   使う電気は3倍で   新潟原発 再稼働   駅前開発 税金で   介護福祉は後回し   私の未来はやせ細る 4.※くりかえし   ひどい会社のすることは   みんなの心配無視をして   データ出さない   質問させない 答えない   信用できない会社なら   みんなの声を寄せ合って   秘密のリニア ストップさせよう


2017年10月15日日曜日

岐阜県知事あて リニア新幹線工事の土壌対策に関する要請書(2017年10月  日

2017年10月  日
岐阜県知事 古田肇 殿

リニア新幹線沿線住民ネットワーク
                    共同代表 天野捷一、川村晃生、片桐晴夫、原 重雄
リニアを考える岐阜県民ネットワーク
代 表         庄司善哉
リニアを考える可児の会
    代 表         桑山賢二
リニア問題を考える恵那市民の会
代表代行        水野功教
リニアを考える坂本住民の会
代 表         大山 勝
東濃リニアを考える会
代 表         原 重雄

リニア中央新幹線工事の土壌対策に関する要請書
 
リニア中央新幹線は、東京・名古屋間286kmのうち86%がトンネル構造であるために、6千万㎥を越える工事残土が発生すると見込まれています。この残土問題は、一つに処分地の確保であり、計画された処分地をめぐって各地で住民との軋轢を生んでいます。
もう一つの問題は、残土に含まれる重金属等の存在という危険性を孕んでいます。
地中に眠っている重金属を地表に出し、外気にさらして生活圏内に置くわけですから、その安全性は幾重にも担保されなければなりません。すでに山梨県では早川町内の残土置き場の地下水から、環境基準を超えたフッ素が検出され、今後も沿線のリニア関連工事の排出土からフッ素やヒ素などの重金属が見つかる可能性が十分にあります。
 更に、都市部の非常口やトンネル工事現場の一部が、化学物質を扱った事業所の跡地であることから、人為的に地下に有害物質が含まれていることも考えられます。
 以上のような事実や今後想定される事態について、行政当局はどのような調査、管理によって責任を果たされるのでしょうか。「JR東海が大丈夫と言っている」として、事業者任せにするのであれば、安全性はまったく無視されるに等しいと言えるでしょう。
 したがって、そうならないためにも、私たちは残土の重金属問題について、調査・管理のための第三者機関を設置し、安全性を確保すべきと考えます。
 都民、県民が安心、安全な生活を送るためにも、ここにリニア工事残土の土壌調査と管理についての第三者機関の設置を強く要請します。
  

                               以  上