2015年5月25日月曜日

リニア中央新幹線計画の中止を求める決議(2015年5月18日 自由法曹団)


リニア中央新幹線計画の中止を求める決議

JR東海のリニア中央新幹線(品川・名古屋間)の工事実施計画について、2014年 10月に国土交通大臣が認可した。
この工事は、延長約285.6km、工事費は品川・名古屋間の総事業費約5兆5235 億円、今回認可した土木構造物関係分が約4兆158億円、走行方式は超電導磁気浮上式 方式、最高設計速度は505km/h、所要時間は最速40分程度、工事の完成予定時期は2 027年とされている。
この計画には、多くの問題点が指摘されている。
環境問題として、1地下水脈が破壊されることによる生活用水や農業用水への影響、2 河川の水質の低下、3巨大な地下トンネル工事にともなう残土処理による環境破壊、4工 事中の工事車両や機械の影響、5南アルプスの自然環境の破壊、等が指摘されている。
安全性の問題として、1強力な電磁波による乗客や沿線住民の健康への影響、2電磁波 による精密機械や医療機器等への影響、3気圧波や低周波による影響、4地震・停電・火 災などの事故の際の乗客の脱出や避難、等が指摘されている。
電力消費の問題として、新幹線の約3倍以上もの電力が必要であることから、省エネル ギーに逆行することが指摘されている。
経済財政上の問題として、1民間であるJR東海が巨額の工事費と借入金利の負担が可 能か、2乗客の需要予測が過大ではないか、3財政破綻の際に国民の負担とならないか、 4新駅周辺の開発が地方自治体の財政を圧迫しないか、等が指摘されている。
JR東海は、このような多くの指摘について、十分な情報公開と説明を行っていない。 政府の認可にいたる手続としても、環境影響評価手続における環境影響評価書の内容が不 十分極まないもので、科学的知見た国民的議論くされたとはとうてい言 えない。
由法曹団は、沿線住民の生活環境と自然環境を破壊し、乗客・住民の安全性も確立さ れていないリニア中央新幹線について、の工事実施計画の時中求めるものである。

2015年5月18
由法曹団 2015年広島・安5月研究討論集会 

0 件のコメント:

コメントを投稿