2016年8月22日月曜日

福島みずほ リニア新幹線への財政投融資の活用に関する質問主意書と答弁書(2016年8月16日)

2016年8月16日、福島みずほ氏の第191回臨時国会におけるリニア中央新幹線への財政投融資の活用に関する質問主意書と答弁書の転載

福島みずほHPより引用


リニア新幹線に関する質問主意書と答弁書

下記の通り、リニア中央新幹線に関する質問主意書を提出したところ、答弁書が
閣議決定を経て提出されました。
質問と答弁を合わせて下記に掲示しますので、是非お読みください。
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第191回国会(臨時会)
質問主意書 質問第四号

リニア中央新幹線への財政投融資の活用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
  平成二十八年八月二日
   福島 みずほ   
         参議院議長 伊達 忠一 殿

   リニア中央新幹線への財政投融資の活用に関する質問主意書

 リニア中央新幹線は二〇四五年に東京-大阪間の全線開業を目指す、東京-名古屋間の工事費約五兆五千億円、名古屋-大阪間の工事費約三兆六千億円、合計九兆円を超える巨大事業だが、国土交通省交通政策審議会の中央新幹線小委員会でも一貫して、東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)が自前の資金で建設する前提で議論が進み、国会の関与もなく事業認可が下りた。
 ところが、本年七月十一日の記者会見で安倍総理はリニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しすると表明し、政府は二〇一七年から三年間にわたり三兆円規模の財政投融資を行うこととした。
 JR東海の自前での資金調達方針から一転し、政府による財政投融資が投入されることになれば国会の関与の必要性はより高まると考える。
 そこで以下、質問する。

一 リニア中央新幹線に対する財政投融資の活用方針はどのような経緯で決定されたのか。JR東海からの財政投融資活用の要請の有無も含め、明らかにされたい。

二 JR東海は一貫して、自己資金で建設し、健全経営と安定配当は確保出来る、税金は使わないとし、国土交通省交通政策審議会中央新幹線小委員会も、十分慎重な財務的見通しにたった事業計画であると判断した。JR東海が従来掲げてきた、自前で事業を実施するとの主張は、財政投融資を活用する方針に明確に反すると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 リニア中央新幹線整備の総工事費の三分の一に達する資金調達に政府が関与するとなれば、計画そのものの見直しが必要ではないか、政府の見解を示されたい。

四 リニア中央新幹線はJR東海が資金を自己負担して建設するとの前提だったため、巨額の工事費にもかかわらず、国会での突き詰めた議論は行われなかった。しかし、リニア中央新幹線の工事はほとんどがトンネルであり、工事費の増大や工期の長期化の可能性が指摘されている。品川-名古屋間の二〇二七年までの工事完了が、総工費約五兆五千億円で可能だと考えているのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。
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参議院議員福島みずほ君提出リニア中央新幹線への財政投融資の活用に関する質問に対する答弁書

一について
お尋ねの「財政投融資活用の要請」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、平成二十八年六月一日に安倍内閣総理大臣が「リニア中央新幹線の計画前倒し」を表明したこと、同月二日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二〇一六」において「リニア中央新幹線全線については、建設主体の整備を更に促進するため、財政投融資の活用等を検討する」こととしたこと、同年七月十二日の「経済対策の策定について(内閣総理大臣指示)」において「リニア中央新幹線の計画前倒し」と明記されたこと等を踏まえ、東海旅客鉄道株式会社(以下「JR東海」という。)等の関係者との間で調整を行い、同年八月二日に閣議決定された「未来への投資を実現する経済対策」において、「財政投融資の手法を積極的に活用・工夫することにより、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒し」することとしたものである。

二について
交通政策審議会陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会における議論に基づき、同審議会答申「中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定について」(平成二十三年五月十二日)において、JR東海の事業遂行能力等を「総合的に勘案し、東京・大阪間の営業主体及び建設主体としてJR東海を指名することが適当である」とされた。これを受け、国土交通大臣は、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号。以下「全幹法」という。)第六条第一項の規定に基づき、中央新幹線の営業主体及び建設主体としてJR東海を指名したところである。
今般の財政投融資の手法の活用・工夫は、先に述べた答申等によって確認されたJR東海の事業遂行能力を前提とした上で、中央新幹線全線の早期開業を実現するために行うものであることから、「JR東海が従来掲げてきた、自前で事業を実施するとの主張は、財政投融資を活用する方針に明確に反する」との御指摘は当たらないものと考えている。

三について
御指摘の「計画そのものの見直し」の意味するところが必ずしも明らかでないが、いずれにしても、全幹法第七条第一項の規定に基づき平成二十三年五月二十六日に国土交通大臣が決定した「中央新幹線の建設に関する整備計画」及び全幹法第九条第一項の規定に基づき平成二十六年十月十七日に同大臣が認可した「中央新幹線品川・名古屋間工事実施計画(その一)」(以下「工事実施計画(その一)」という。)の変更は不要であると考えている。

四について
全幹法第九条第一項の規定に基づき平成二十六年八月二十六日にJR東海から申請された、中央新幹線(品川・名古屋間)の工事完了予定時期を平成三十九年とし、工事予算を四兆百五十八億二千万円とする工事実施計画(その一)を、同年十月十七日に国土交通大臣が認可したところである。
なお、御指摘の「総工費約五兆五千億円」は、工事実施計画(その一)において、全国新幹線鉄道整備法施行規則(昭和四十五年運輸省令第八十六号)第一号様式の欄外に申請者のJR東海が参考として記載した総工事費五兆五千二百三十五億五千万円を指していると思われるが、中央新幹線(品川・名古屋間)の総工事費については、工事実施計画(その一)に記載されなかった事項に関する工事実施計画の認可申請時に、JR東海から示されるものと考えている。



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