2016年10月25日火曜日

”密室”での僅差の賛成 リニア工事着工、大鹿村議会同意(2016年10月22日中日新聞)


“密室”で僅差の賛成 リニア工事着工、大鹿村議会同意
「密室」での結論は賛成四、反対三の僅差だった-。工事車両による生活環境の悪化を懸 念する声は根強く、住民の賛否が割れるリニア中央新幹線の南アルプストンネル工事。二十 一日、着工同意の是非を非公開で審議した大鹿村議会の判断は、身内の村議からも「村民の 反発が出る」と疑問の声が上がった。
村議八人が集まった村役場の一室では、近くに異例の規制線が張られ、一時間半の議論が 続けられた。複数の村議によると、途中まで賛否を保留する村議もおり、最後まで同意に至 るかは分からない状況だったという。
終了後に会見した柳島貞康村長と熊谷英俊議長は「(過去に)リニアを巡る発言から傍聴 人に激しく詰め寄られた議員がいた」として「自由に議論するため非公開とした」と説明し た。村役場に駆けつけた住民団体からは「密室での決定は住民軽視だ」と批判の声が上がっ た。非公開を巡っては村議の意見も割れた。
同意に反対した東村邦子村議(67)は「議論して悩んだ結論だという面が見えなくなっ てしまった」と非公開に疑問を呈した。同じく反対した河本明代村議(59)は「確認書の 公表からわずか一日余り。議会として村民への説明責任を果たしたとは言えない」と述べた。
一方、賛成した斎藤􏰀子村議(58)は非公開はやむを得ないとの立場。「村議も賛成、 反対の支持者がいて板挟みで心苦しさがある。熟慮の上での非公開だったのでは」と理解を 求めた。
◆知事、歓迎と注文
阿部守一知事は「着工が広く県の地域振興につながる第一歩となると期待している」と歓 迎する一方、JR東海に対し「大鹿村など関係する市町村の切実な要望に丁寧かつ誠実な対 応を求める」と注文した。
 (五十幡将之、沢田佳孝)

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